どうも!ポニーです。
リンは原子番号15番の元素であり、元素記号はPとなり原子量は30.97の窒素族元素のひとつとなります。
ミネラルの一種でリンがありますが、他の栄養素に比べると身近に感じにくい栄養素かもしれません。
ですが、人間が健康に生きていくために必要不可欠な栄養素となります。
今回は、そんなリンについてまとめてみました。
◆リンの種類について
◆過剰にならないための注意
◆リンの摂取基準量
◆食品別リン含有量一覧
リンとは?
人体に必要なミネラルの一種で、カルシウムに次いで多く、体内に含まれるリンの量は成人体重の約1%とされております。
リンは、ミネラルの中でも多量ミネラルに分類されております。
<ミネラルの分類>
●多量ミネラル
体内に存在する量が多く、主要ミネラルともいわれております。
●微量ミネラル
多量ミネラルよりも少なく必須ミネラルでないものを含めると22種類となります。
他にも、リンには有機リン・無機リンと分類もされており、その含有量や吸収率の変化も大きく変わり、身体への影響にも関与してきます。
人間の健康や成長に大きく関わる、必要不可欠な栄養素となります。
リンの働き
リンも人間にとって必要な栄養素ですが、体内でどんな役割をもって働きかけているのかをみてみましょう。
●骨や歯をつくる
体内のリンは、約80%がカルシウムやマグネシウムと一緒に、骨や歯をつくる材料に使われております。
リンは、体内でカルシウムと結合しリン酸カルシウムになり、骨の健康維持に働きかけてくれます。
●DNAや細胞膜に関与
リンは、脳にとっても重要な物質となり細胞膜の主成分にもなってきます。
また、遺伝情報を伝達するうえで重要なDNAなどをつくるのにもリンが不可欠な栄養素となってきます。
●エネルギー発生に関わっている
体内のエネルギーをつくる際に、たんぱく質・脂質・糖質は酸化しATP(アデノシン三リン酸)になり、代謝の過程で二酸化炭素と水に分解されADP(アデノシン二リン酸)に変化するときにエネルギーが発生します。
普段の食事から、エネルギーを得て過ごすために必要なミネラルになってきます。
<ATP・ADPについて>
:ATP(アデノシン三リン酸)
筋肉の収縮など、生命活動で利用されるエネルギーの貯蔵・ 利用に関わっており、 生体のエネルギー通貨とも呼ばれたりしております。
:ADP(アデノシン二リン酸)
アデニン・リボース、および二つのリン酸分子からなる化学物質です。
リン酸は高エネルギーリン酸結合をとっており、ATP から ADP とリン酸基に分かれる際に放出されるエネルギーは、生体内での主要なエネルギー源となります。
リンの不足や摂りすぎ
必要とされる栄養素も、不足や摂りすぎによる影響で身体を壊してしまう可能性もあります。
適度な量を、日々摂ることが重要となりますが、不足や摂りすぎに起こる悪影響をまとめてみました。
●リンの不足
通常の食生活で、一般的に不足することは少なくなります。
ですが、不足することで骨や関節・歯などが弱くなり、神経障害や骨軟化症の発生になる可能性もありますので注意はしましょう。
健康な人はむしろとり過ぎが問題であり、リンを多く含む食品添加物・加工食品・清涼飲料水などの酸味の素として使用されていることがあります。
●リンの摂りすぎ
①腎臓・副甲状腺ホルモン低下
リンを過剰に摂取続けることで、リンの吸収を抑えてくれる副甲状腺機能の異常が発生し、腎不全を起こす可能性もあります。
他にも、腎臓結石を患った方が大量摂取すると、再発リスクの可能性も増すといわれております。
②カルシウムの吸収に影響
リンの摂りすぎは、カルシウムの吸収障害が発生し骨量や骨密度の低下になる可能性もあります。
有機リンと無機リン
リンにも種類があり、もともとの食材に含まれる「有機リン」と、食品添加物に多く使用される「無機リン」があります。
たんぱく質の多い食品に含まれる。
加工食品による食品添加物として使用。
種類 | 食品 | 吸収率 |
有機リン | 肉類・魚類・豆類・乳製品、など | 約40~60% |
無機リン | ベーコン・ハム・練り物・プロセスチーズ・缶詰・ファーストフード・インスタント麺、など | 約90%以上 |
リンは様々な食品に含まれており、動物性食品・野菜や豆類など植物性食品をバランス良く食べていれば、リンとカルシウムのバランスも整い身体に必要な量をとることができます。
ですが、無機リンなどの食品を多く摂っていると、リンの摂りすぎに繋がってしまい身体にも悪影響を及ぼす原因となります。
また、食品添加物について、成分表示が義務づけられていないことから食品にどれだけ無機リンが含まれているかがわからないのが実情です。
そして、無機リンは有機リンに比べ腸から吸収されやすく、吸収率も大きく変わってきますので、無機リンが多く入っていそうな食品添加物入りの加工食品は可能な限り避けることをおすすめします。
リンを過剰に摂取しない
有機リン・無機リンでもご説明した通り、健康な人は不足よりも過剰摂取に注意したいリンですが、どのように気をつけて食生活をするとよいのでしょう。
普段の食生活の中でも、少し工夫することでリンの過剰摂取を避けることが可能となります。
●食材選びの注意
もともとの食材も加工が進むとリンの含有量も増してきます。
可能な限り、原型に近い食材でハムやウインナーよりも、肉や魚などをおすすめします。
●食事の種類
洋食が多いと、例えばハムやベーコン・ウインナーなど加工食品も多くなりますが、それらを和食にすることで軽減されます。
おかずに魚類や豆腐に納豆など、リンも含みますがカルシウムも多く含みバランスを整えてくれます。
●普段飲用するもの
ジュースなど、味の強い飲み物よりも、お茶などリンの含有量も低く他の栄養も摂れるので、普段の生活で少しずつ変化をしてみるのもおすすめです。
カルシウムは、過剰になったリンを排出する栄養素となりバランスよく排出するための比率も把握しておくといいでしょう。
これくらいの比率が推測されており、普段の食生活を少しでも気にかけてとることが大切になってきます。
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リンの摂取目安量
リンの食事摂取目基準は、下記の通り設定されております。
◆女性 800mg/日
上限は男女共に3000mgと示されております。
リン 摂取基準目安量(mg/日)
年齢 | 男性 | 女性 | ||
目安量 | 上限量 | 目安量 | 上限量 | |
0-5月 | 120 | – | 120 | – |
6-11月 | 260 | – | 260 | – |
1-2歳 | 500 | – | 500 | – |
3-5歳 | 800 | – | 600 | – |
6-7歳 | 900 | – | 900 | – |
8-9歳 | 1000 | – | 900 | – |
10-11歳 | 1100 | – | 1000 | – |
12-14歳 | 1200 | – | 1100 | – |
15-17歳 | 1200 | – | 900 | – |
18歳以上 | 1000 | 3000 | 800 | 3000 |
※厚生労働省 日本人の食事摂取基準2015 参照
食品別 リン含有量
人間の成長や健康維持に必要なリン、不足よりも過剰に摂りすぎることが注意されております。
様々な食品がありますが、どんな食材に多く含まれているのかをまとめてみました。
食品に含まれる含有量の値は、全て(mg/100g)を示しております。
リン 魚類
食品名 | 含有量 |
煮干し | 1500 |
たたみいわし | 1400 |
鰹節 | 790 |
いわし丸干 | 570 |
いかなご | 530 |
金目鯛 | 490 |
しらす干 | 470 |
焼あゆ | 460 |
ししゃも | 360 |
焼あじ | 320 |
リン 魚介類
食品名 | 含有量 |
するめ | 1100 |
干しえび | 990 |
いかなご佃煮 | 820 |
わかさぎ佃煮 | 780 |
いくら | 530 |
すじこ | 490 |
たらこ | 470 |
えび佃煮 | 440 |
うに | 390 |
桜えび茹 | 360 |
リン 乳製品
食品名 | 含有量 |
脱脂粉乳(粉) | 1000 |
パルメザンチーズ | 850 |
プロセスチーズ | 730 |
コーヒーミルク植物性粉 | 600 |
カマンベールチーズ | 330 |
加糖練乳 | 240 |
コーヒーミルク乳脂肪粉 | 240 |
生クリーム | 210 |
ホイップクリーム | 180 |
カッテージチーズ | 130 |
リン 肉類
食品名 | 含有量 |
ビーフジャーキー | 420 |
豚レバー肝臓 | 340 |
ロースハム | 340 |
ボンレスハム | 340 |
牛レバー肝臓 | 330 |
鶏レバー肝臓 | 300 |
ロースベーコン | 270 |
焼き豚 | 260 |
レバーペースト | 260 |
サラミ | 240 |
リン 海藻類
食品名 | 含有量 |
味付けのり | 710 |
焼きのり | 700 |
あおのり乾 | 380 |
わかめ素干 | 350 |
カットワカメ | 290 |
こんぶ乾 | 240 |
とろろ昆布 | 190 |
塩昆布 | 170 |
あおさ乾 | 160 |
ひじき乾 | 100 |
リン 殻類
食品名 | 含有量 |
アマランサス | 540 |
オートミール | 370 |
トウモロコシ玄殻 | 270 |
ホットケーキ | 170 |
玄米ご飯 | 130 |
スパゲティ乾 | 130 |
マカロニ乾 | 130 |
ライ麦パン | 130 |
パン粉 | 130 |
コーンミール | 130 |
リン 木の実
食品名 | 含有量 |
ごま | 560 |
松の実 | 550 |
カシューナッツ | 490 |
アーモンド | 480 |
ピスタチオ | 440 |
らっかせい | 390 |
バターピーナッツ | 380 |
くるみ | 280 |
マカダミアナッツ | 140 |
ぎんなん | 83 |
リン 野菜
食品名 | 含有量 |
唐辛子 | 260 |
そら豆 | 230 |
切干大根 | 210 |
枝豆 | 170 |
ニンニク | 150 |
かんぴょう乾 | 140 |
モロヘイヤ | 110 |
グリンピース | 96 |
菜の花 | 86 |
レンコン | 78 |
リン 調味料
食品名 | 含有量 |
ベーキングパウダー | 3700 |
ドライイースト | 840 |
カレー粉 | 400 |
粒入マスタード | 260 |
顆糖風味調味料 | 260 |
コーンスープ粉 | 190 |
みそ | 170 |
濃口しょうゆ | 160 |
黒コショウ | 160 |
薄口しょうゆ | 130 |
最後に
リンの種類や働き、不足よりも過剰摂取に注意したいことなど色々わかりました。
無駄な栄養素はなく、人間が健康に成長し生活するためにリンも必要不可欠となります。
普段の食生活を、少し気にしたり工夫することで、新たな健康サポート役にもなってくれるのではないでしょうか。
あくまでも、個人によって効果のあらわれ方や変化は様々になります。参考にして頂けたらと思います。
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