どうも!ポニーです。
亜鉛は、原子番号30の金属元素、元素記号は Znとなります。
亜鉛族元素の一つで、安定な結晶構造は六方最密充填構造の金属となり、必須ミネラル16種類の一つとなります。
ミネラルの一種で亜鉛は、人間の成長や美容・健康維持に欠かすことの出来ない栄養素となります。
今回は、そんな亜鉛についてまとめてみました。
◆亜鉛を効率よく吸収
◆他の栄養素との相性
◆1日の摂取基準量
◆亜鉛を多く含む食品
亜鉛とは?
生体では鉄の次に多い必須微量元素で、体重70kgの人に平均2.3g含まれております。
16種類のミネラルの中でも、大きく2つに分類されており、亜鉛は微量ミネラルに分類されております。
種類 | 内容 |
多量ミネラル | 体内に存在する量が多いもので、主要ミネラルと呼ばれることもあります。 |
微量ミネラル | 多量ミネラルに比べると、生体内に存在する量が多量ミネラルよりも少ないものです。 |
皮膚や血液、骨・筋肉・腎臓・肝臓・脳など、全身の細胞内にあります。
主に酵素の構造形成および維持に必須となり、それらの酵素の生理的役割は身体にとって最も重要なものとなります。
また、どのミネラルにもいえることですが、人間の体内では合成できず食事での摂取が必要となります。
亜鉛の働き
身体にとって、大切な働きかけをする亜鉛ですが、私たちの成長や美容健康の維持に大きく役立っております。
●味覚を正常に保つ
人間の舌の表面には、約5000~6000個ある味蕾という部分で味覚を感じとっております。
この味蕾、細胞の新陳代謝に亜鉛が欠かせないものとなり、不足することで正確な味がわからなくなり、正常に維持するためにも亜鉛が必要不可欠となります。
●重要なホルモンつくり
男性の前立腺や精液に高濃度で含まれるほか、性ホルモンにも関与しており、男性の勃起不全や精液欠乏症を改善する効果も期待されております。
また、女性ホルモンが正しく機能するためにも欠かせない栄養素で、月経を正常にしたり胎児の成長を促すなどに関係してきます。
妊娠を望む・妊娠中の人は、亜鉛が不足しないように注意するとよいでしょう。
●細胞の生成や代謝を助ける
多くの種類をもつ酵素の活性に関与し、主に酵素の構造形成および維持に必須となります。
それらの酵素の生理的役割は、免疫機能向上・精子形成・創傷治癒・味覚感知・胎発生・小児成長など多くに関わってきます。
他にも、加水分解酵素の活性に関わり、DNA や RNA のリン酸エステルを加水分解によって切断するので細胞分裂にも大きく関与しております。
亜鉛の不足や摂りすぎ
偏った食生活などが続くと、栄養のバランスも崩れ身体に悪影響を及ぼす可能性もあります。
●亜鉛の不足
①味覚障害
舌の味蕾機能が低下し、食事を摂っていても味がわからなくなる可能性もあります。
また、亜鉛を摂っていても、常用薬によってその吸収を妨げていることもあるので、医師に確認することも必要となります。
②生殖機能の低下
亜鉛の不足で、細胞がつくれなくなり生殖機能の低下もあります。
特に、男性の生殖機能に大きな働きかけをするために、不妊症の原因になる可能性もあります。
③毛髪の発育低下
皮膚や髪もたんぱく質からできていますが、亜鉛を摂取することでたんぱく質の代謝を促し、皮膚や髪のトラブルを改善します。
ですが、不足することで、その効果が低くなり枝毛・パサパサ・切れ毛など、髪の健康維持に影響してきます。
④免疫機能低下
亜鉛の不足で、免疫機能の低下によって風邪をひきやすくなったり、疲れやすくなることもあります。
●亜鉛の摂りすぎ
①銅や鉄の吸収阻害
摂りすぎが続いたりすることで、鉄・銅の吸収がうまくされなくなり様々な病気に繋がってきます。
他にも、抗酸化作用の働く酵素機能が低下し、活性酸素の抑制など美容健康への効果に影響がでる可能性もあります。
◆サプリメントと食事、一緒に摂り続けることで過剰摂取の恐れがあります。
◆亜鉛は、カキに豊富に含まれており、成人男性20個が摂取上限目安とされております。
このように、サプリメントや亜鉛が豊富に含まれる食品を日常的に摂り続けると、摂りすぎの原因となりますので注意することを心がけてください。
他の栄養素の組合せと効率よく摂ろう
亜鉛は、腸管からは30%程度しか吸収されず、70%は出てしまい水溶性のため多くが汗でも流れ出てしまいます。
亜鉛は汗の中に多く含まれており、発汗量に比例して体外へ流れ出てしまうので、運動量・発汗量の多い方は注意して摂ることを心がけてください。
ここで、亜鉛を効率よく摂る方法や、他の栄養素と相性のよいものをまとめてみました。
①加工食品に注意
日頃よく口にすることも多いと思う加工食品ですが、じつは亜鉛の吸収を阻害する添加物が使われることもあります。
自然食品であれば大丈夫ですが、可能な限り加工食品は抑えて頂くことをおすすめします。
②無理なダイエット
他にも、ダイエットなどで無理な食事制限などから栄養が偏り、亜鉛の不足が起こることもあり、若い女性に多いともいわれております。
バランスのとれた食生活を心がけることが大切となります。
③ビタミンCとの組合せ
亜鉛は、ビタミンCと一緒に肌のハリを保つコラーゲンを作ったり、傷んだ細胞や毛髪の新陳代謝を活発にしたりもしてくれます。
また、レモンのビタミンCは、クエン酸やビタミンCが含まれておりますが、亜鉛の吸収をサポートしてくれるので一緒に摂るとよいでしょう。
亜鉛が豊富とされているカキ、レモンをかけて食べることも多いですが、理にかなった組合せです。
④ビタミンAとの組合せ
亜鉛は、ビタミンAの代謝を促進し、ビタミンAのもつ抗酸化作用や働きを活性化させてくれます。
風邪や感染症など粘膜保護に働きかけてくれたり、美容健康に効果的なアンチエイジングや生活習慣病予防などに期待されております。
亜鉛の摂取目安量
通常の食事では摂りすぎる心配はありませんが、逆に吸収されにくく、リン・食物繊維などによって吸収阻害されることもあります。
つまり不足しやすい栄養素となりますので、亜鉛が豊富に含まれている食品を意識して摂ることを心がけてください。
男女ともに18~49歳、普通の身体活動レベルの方を目安にみてみると、
◆女性7~ 8mg/1日
(単位:mg/日)
年齢 | 推奨量 | 耐容上限量 | |
男性 | 女性 | 男性/女性 | |
1-2歳 | 3 | 3 | – |
3-5歳 | 4 | 4 | – |
6-7歳 | 5 | 5 | – |
8-9歳 | 6 | 5 | – |
10-11歳 | 7 | 7 | – |
12-14歳 | 9 | 8 | – |
15-17歳 | 10 | 8 | – |
18-29歳 | 10 | 8 | 40/35 |
30-49歳 | 10 | 8 | 45/35 |
50-69歳 | 10 | 8 | 45/35 |
70歳以上 | 9 | 7 | 40/35 |
※厚生労働省 日本人の食事摂取基準2015参照
食品別 亜鉛含有量
不足しがちな亜鉛を、効率よく日々摂取するためにも、亜鉛が豊富に含まれている食品を把握しておくといいでしょう。
食品別に、亜鉛の含有量をまとめてみました。
表記は全て(100gあたりの含有量)となります。
亜鉛 魚介類
食品名 | 含有量 |
カキ | 13.2 |
するめ | 5.4 |
ほや | 5.3 |
カニ缶 | 4.7 |
ワカサギ佃煮 | 4.4 |
たいらがい | 4.3 |
ハマグリ佃煮 | 4.2 |
干しエビ | 3.9 |
たらこ | 3.8 |
エビ佃煮 | 3.1 |
亜鉛 肉・卵類
食品名 | 含有量 |
ビーフジャーキー | 8.8 |
豚レバー | 6.9 |
牛肩ロース輸入 | 5.8 |
牛肩肉輸入 | 5.0 |
牛肩肉和牛 | 4.9 |
牛肩ロース和牛 | 4.6 |
牛挽肉 | 4.3 |
たまご卵黄 | 4.2 |
コンビーフ缶 | 4.1 |
ローストビーフ | 4.1 |
亜鉛 魚類
食品名 | 含有量 |
煮干し | 7.2 |
たたみいわし | 6.6 |
いかなご | 3.9 |
フカヒレ | 3.1 |
鰹節 | 2.8 |
鰻蒲焼 | 2.7 |
鰻肝 | 2.7 |
あんこう肝 | 2.2 |
ししゃも | 2.0 |
鯖水煮缶 | 1.7 |
亜鉛 殻類
食品名 | 含有量 |
アマランサス | 5.8 |
焼ききふ | 2.2 |
オートミール | 2.1 |
トウモロコシ | 1.7 |
スパゲティ乾 | 1.5 |
マカロニ乾 | 1.5 |
もち | 1.4 |
コーンミール | 1.4 |
ライ麦パン | 1.3 |
肉まん | 1.1 |
亜鉛 豆類
食品名 | 含有量 |
凍豆腐 乾 | 5.2 |
えんどう豆 | 3.6 |
きな粉 | 3.5 |
大豆 乾 | 3.2 |
フライビーンズ | 2.6 |
油揚げ | 2.4 |
あずき乾 | 2.3 |
ゆば生 | 2.2 |
納豆 | 1.9 |
がんもどき | 1.6 |
亜鉛 乳製品類
食品名 | 含有量 |
パルメザンチーズ | 7.3 |
脱脂粉乳 粉 | 3.9 |
プロセスチーズ | 3.2 |
カマンベールチーズ | 2.8 |
加糖練乳 | 0.8 |
クリームチーズ | 0.7 |
カッテージチーズ | 0.5 |
普通牛乳 | 0.4 |
加工乳 低 | 0.4 |
加工乳 濃 | 0.4 |
亜鉛 木の実類
食品名 | 含有量 |
松の実 | 6.0 |
ごま | 5.9 |
カシューナッツ | 5.4 |
アーモンド | 4.4 |
バターピーナッツ | 3.1 |
ラッカセイ | 3.0 |
くるみ | 2.6 |
ピスタチオ | 2.5 |
マカダミアナッツ | 0.7 |
銀杏 | 0.3 |
亜鉛 野菜類
食品名 | 含有量 |
切干大根 乾 | 2.1 |
そら豆 | 1.9 |
かんぴょう 乾 | 1.8 |
とうがらし | 1.5 |
枝豆 | 1.3 |
しそ | 1.3 |
たけのこ | 1.2 |
グレーンピース | 1.0 |
パセリ | 1.0 |
ごぼう | 0.7 |
亜鉛 調味料類
食品名 | 含有量 |
ドライイースト | 3.4 |
カレー粉 | 2.9 |
酒粕 | 2.3 |
オイスターソース | 1.6 |
粒入マスタード | 1.4 |
みそ | 1.1 |
黒コショウ | 1.1 |
からし | 1.0 |
濃口醤油 | 0.9 |
練りわさび | 0.8 |
亜鉛 お菓子類
食品名 | 含有量 |
あられ | 2.4 |
ポップコーン | 2.4 |
チョコレート | 1.6 |
塩せんべい | 1.4 |
甘辛せんべい | 1.0 |
大福餅 | 0.9 |
エクレア | 0.8 |
シュークリーム | 0.8 |
ババロア | 0.7 |
ワッフル | 0.7 |
最後に
亜鉛について、身体に必要不可欠な栄養素であり、摂りすぎよりも不足を注意したい栄養素です。
組合わせる栄養素によって、その効果を発揮したり、吸収率を高めるために避けた方がよい食品なども注意しながら、日々の食生活で進めていきたいです。
気にしないよりも、少しでも意識して食事を摂ることが必要となり、身体への変化もあらわれるのではないでしょうか。
あくまでも、個人によって効果のあらわれ方や変化は様々になります。参考にして頂けたらと思います。
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